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「は!?」
おれは一瞬意味が分からなかった。
この病院ではナースが受付やってんだっけ?
でもおれの血を抜いたのはこの人だよな・・・
「ちょっと数値が、あの・・・普通と違うので、その・・・来て下さい」
と、わけのわからんことを言われた。
「へ!?」
賢いおれはすでに、「血液の数値」という時点で、あることを連想していた。
診察室に再び通された。
さっきの医者とベテラン看護婦がいた。
おれは21の若造のくせに、悟りきったような覚悟を決めていた。
「なんかやばかったんですかね?」
朦朧とした意識の中聞いてみた。
「Sakaiさん。血中の白血球の濃度が通常の2倍以上あるんデスヨ。」
・・・・・・!!
頭の中が真っ白になった。
再び今まであった友達が脳裏を走った。
「そ、それは・・・最悪どういうことですか?」
答えを予想しながらおれはワラにもすがる思いで聞いてみた。
「最悪・・・ですか。白血病ですね。」
みたいなことをほざきやがったこのくそ医者・・・
一応予想はしてたものの、妄想が先走るおれとしては痛恨の一撃だった。
よくマンガで、ショッキングなシーンで倒れる人がいる。
んなやついねえよ。
とか思っていたが、おれは倒れかけた。
もともと倒れかけていた体調にショッキングなニュースに、
内臓が口から出そうな緊張感を禁じ得なかった。
その場で崩れ落ち、ベッドでしばらく寝た。
「色々と検査もありますから、入院しましょう。」
入院!?
昔アデノイドのオペで1日病院に泊まったことはあるけど・・・
「実家に帰ったほうがいいですよ。親も心配しますし。」
なにぃいいいぃ!?
親に会わなきゃいかんほどヤバイのか!?
おれの妄想特急は暴走した。
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その後薬局で薬をもらい、うちに帰った。
白血病!?
骨髄移植しなきゃなおらん!?
家族でも型が会わなかったりする!?
ようするにヤバイ!?
おれの聞きかじりの知識がうぜえくらいに脳を支配した。
弱った人間はなぜか神にたよってみたりする。
「この病気が白血病じゃなくてすぐ治るなら、骨髄バンクに登録するぜ・・・!」
筋の通ってそうなことを神に対して取引してみたりした。
死の恐怖を本当に味わったのはこれで何度目か知らんが、まじでビビってた。
泣きそうだった。
状況を楽観視する余裕のある体調ではなかった。
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そのまま一夜を明かし、地元越谷の独協埼玉病院にかかった。
触診してもらったら、腹がなでられるだけでいてえ!
「う〜む・・・これは○○という病気の可能性があるね。」
ムズカシげな病名にまたびびった。
「命に別状とかあるんすか?」 恐る恐る聞いてみた。
「もし○○だったら、治るのに時間はかかるけど死にはしないよ。」
パアアァアアアア・・・
おれの未来は明るくなった。
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