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一年ほど前になるだろうか。その日、大学から帰ってきてくつろいでいると、
何者かが俺の部屋のドアをノックした。
俺は大学の正門から徒歩で1分というところに住んでいるため、てっきり
友人が訪ねてきたのだと思った。実際、頻繁に友人が訪ねてくるのだ。
ところが、ドアの向こうに立っていたのは友人ではなく、薄汚い格好をした
20代後半くらいの小柄な男だった。その男は俺の顔を見るなりいきなり言った。
「読売新聞なんですけど、新聞をとってもらえませんか?」
俺はすぐにドアを開ける前に確認をしなかった事を後悔した。
以前にも何人も同じような輩が尋ねてきて、その度に不快な思いをしてきたのだ。
その男は、何を思ったか、いきなり自分の身の上話をしてきた。
「実は私、九州の大学を卒業したばかりで、つい最近こっちに配属されたんですよ。
それで、研修みたいな感じで、いろいろなお宅を尋ねてるんですよ。あ、
おたく学生さんですよね?」(わざとらしいなぁ、おい)
いきなり自己紹介を始める勧誘員(正しくは「拡張」とか言うらしい)なんて
始めてだった俺は、ろくなリアクションもとれず、そいつの話を聞いていた。
こいつの話が本当なら、そこらの品の無いオヤジ連中よりは話が通じそうだ。
俺は適当にやり過ごして、そいつを諦めさせようと思った。
しかし、その男は、今まできたどんな勧誘員よりもタチが悪かった。
以下、俺が記憶している限りのやり取りを、できるだけ忠実に
書いていく。(赤:勧誘男、黄:俺)
「今どこか新聞取ってます?」
「ええ、朝日を」
「その契約、いつまでです?」
「最近契約更新したんで、あと3ヶ月ですね。」
「その後で結構ですんで、ウチに新聞とってもらえません?」
「以前読売とってたんで、ちょっと・・・。」
「今回は特別な研修なんで、景品とかも今までよりもいっぱいサービスするんですけど」
「いや、そういうのは関係無いんですよ。いろいろ新聞変えてみようと思ってて、
それで以前読売はとってたんで、しばらくは読売はとらないんですよ、すみません。」
「洗剤なら普段は3個なんですけど、今日とってくれるなら、6個つけますよ。」
「いや、だから、とらないんですよ。すいませんけど」だんだんムカついてきてる俺 ^^;
「どうしても無理なんですか?」こいつも最初の謙虚さが消えてきた
「ええ、申し訳無いです。」
ちょっと威圧的に、しかし丁寧に応対 ^^;
「はぁ・・・」ため息
「最近の学生は新聞とかとらないで、その金を遊びに遣っちゃうんですね。
新聞の方がずっと役に立つのに・・・。」馬鹿かこいつは?
「いや、だから朝日とってるんですってば。言ったでしょう!?」あまりに馬鹿な事をぬかしたので、ちょっとびっくり
「どうしてもダメですか?」こいつも声にドスが効いてきた
「何回言えばわかってもらえます?」
「もし、これから僕が毎日来たらどうします?イヤでしょう?僕、あなたが新聞とってくれるまで、毎日来ますよ!?だったら今とった方が楽でしょう、お互いに」完全にトチ狂ってきた。こういうヤツがストーカーになるんだろうなぁ(笑
「あんたが何やろうと関係ないっすよ。とる気なんてないっすもん、私。」言葉遣いが荒くなる俺
「いいんですか、ホントに毎日来ますよ、私。」もはや脅迫(屁たれタイプ)である。
「どうでもいいっすけどぉ、ケガする前に帰った方がいいっすよ!?あんた。」もはや半ギレ状態(爆
「今日はこれぐらいにしておきますけど、絶対僕、明日も来ますからね!」どうやらビビッたらしい(笑
・・・・・・・・こうして男は去ろうとしたが、最後まで無礼な奴だ。ドアを閉めないで(あいつがドアを手で押さえていたし、俺はドアから少し離れて応対していたのだ)帰って行くではないか。しかもドアに近づいた俺を見ながら何かブツブツ(恨み言だろうけど)言っている。俺はキレた。
「馬鹿野郎!ドアぐらい閉めて行け!殺すぞ、ボケ!!」
なにもそこまで・・・・ ^^:)
・・・・俺の期待に反して、その男は2度とやってこなかった。次来たら、本気で殴ろうと思っていたのだが・・・。少し残念だった。
実際、俺の腹の虫はおさまらなかった。なにせ、あそこまでデタラメな人間など、高校卒業以来初めてだった。
そして、それから3日ほど経った夜のことだった。読売から電話がかかってきた。俺は最初、てっきり奴の事に対する
謝罪かと思ったが、甘かった。それはただの電話での勧誘だった。(だってあいつ「社員」って言ってたんだもん)
思わずあのときの怒りがぶり返してきた俺は、電話の男が勧誘のセリフを言い終わる前に言い放った。
「この前、読売の社員を名乗るムチャクチャ失礼な人間がウチに勧誘に来て、ワケのわからない不愉快なことばかり言って
帰って行ったんで、もう読売はとらないって決めました。」
俺は相手の返事を待たずにそのまま電話を切った。いくぶんすっきりした気がした。
・・・・・そして1週間後、ウチにまた読売から電話がきた。今度は謝罪だった。ずいぶんと丁寧に
謝罪していたが、どうせ専門の人間だろう。それでメシを食っているのだから当然か。
以来、読売の勧誘が来ないので安心しているが、こういった話はどこにでもあるようだ。
なかには複数のチンピラが現れたという話も聞く。
なによりもタチがわるいのは、新聞社自身と、勧誘は直接的な関係が無いことだ。
新聞社に苦情をいれても、「そういった人間とウチは一切関係無い。文句をいわれる筋合いは無い。」
といわれてしまうことだ。
人に新聞を売ってそれでメシを食っている分際で
(広告もあるけどさ)、無責任なこと言ってんじゃねぇ。
てめぇの不始末を客に押し付けんじゃねえよ。
しかも俺のところに来たのは社員である。実際に会社から謝罪が来たことを考えると、そこらの
オヤジ連中よりはマシな身分のハズだ。それでさえこの有り様だ。
以来、俺は新聞も宗教も、すべて以下のいずれかで一蹴している。
1.ドアをノックしてきたら、ドアを開けずに「どなたですか?」と聞き、相手が新聞の勧誘や宗教
だったら、「新聞と宗教は間に合ってます」と言って、部屋に戻り放っておく
2.相手が新聞や宗教で、つい油断してドアを開けてしまったり、「宅配便」などと騙された場合、
即座にドアを閉めて、「間に合ってます」と言う。ドアに足を挟んでくる奴は、足を蹴り出すか、
力いっぱいドアを閉めるフリをする(今度実際、思いっきり挟んでやろうと思っている)。
3.それでもドアをノックしてきたりして諦めないときは、中から思いっきりドアを殴りつけて、
相手をビビらせる。(ここまでやって諦めなかった奴はまだいない)
まぁ、2や3は男向きの方法だろう。女性なら、ドアスコープやインターホン(できればモニター付き)を
購入することを薦める。
とにかく、迷惑以外の何者でもない存在である。
撃退するのは、とにかく怖気づかない事だ。人間扱いしないようになれば完璧だろう(笑
いくらなんでも、言葉で脅すくらいが関の山の存在である。客に手を上げたら元も子もないのだから。
だからとにかくビビッてはいけない。
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