ＢＡＣＫ

「特撮ファンの部屋」

　ひょっとしたら、日本もハリウッドに対抗できる作品が生み出せるかも。

　今まで予算や環境的な面で苦しい制作を要求されてきた邦画も、CGという武器を得たことによって、かなり期待できるスタートラインに立てるかもしれない。
　派手な画面を撮るためにものを木っ端微塵に壊さなくてはいけない。＜ーでも予算の関係で出来ない。
　怪獣・怪物・クリーチャーをリアルに動かさなくてはいけない。＜ーでも予算の関係で出来ない。
　宇宙だろうが海底だろうが、はたまた死後の世界であろうが、リアルに見せなくてはいけない。＜ーでも予算の関係で出来ない。
　とまあ、考えてみればほとんど予算絡みの問題なんだけど、それらがCGではオールクリアも夢ではない。

　なぜならCGは、努力・根性でなんとかなる技術だから。

　もちろんそういった「努力・根性」でも難しい問題もあるけど、以前よりも予算というハードルは小さくなったのではないだろうか？
　しかも我が国日本のクリエーターは、「ウルトラマンが出来るのなら、多少の無理はいたしましょう」という採算を度外視した方々が現実に存在しているし、こういった方々が現在の日本の特撮界を支えている大きな力になっているのは事実。
　現に本作は、ハリウッドにも負けていない素晴らしい映像を観せてくれたのは、観た人全てが感じ取れると思う。

　「日本は今だにヌイグルミまるだしですからね」と、知った顔でおっしゃってくれる無知識丸出しくんが多い。
　彼らは今だに、初代ウルトラマンをはじめとする、70年代前後の作品を対象にしか評価しない。
　最新で何億もかけたハリウッドの超大作と、30年も前の数百万円で制作された作品とを「つまらぬ偏見付き」で評価するな！

　無知識丸出しくんは「ウルトラマンティガ＆ウルトラマンダイナ」なんか観ちゃいないだろうし、観ようともしないだろう。
　だったら、そんな知識で大声で公の場で評価をつけるな！

　そう言いたくなるほど、本作は素晴らしい完成度を持っている作品だと思う。

　「デスフェイサーの変形シーンの見事さ！」
　「地中からの攻撃のときの派手な爆発シーン！」
　「美しいダイナ（ティガ）の攻撃パターン」
　「観る者を引き込む、スーパーガッツのカッコイイ攻撃！」

　いやー、実にほれぼれするぜ！

　まあ、確かにせっかく杉本彩さんに出演してもらってるのにあんまり生きていなかったり、山田まりや嬢が入院しているだけだったり（スケジュール的にきつかったのかな？）、ガッツのメンバーの出演が本編と噛み合ってないのが残念だったり、ティガの最終回のそのまんまな内容だったりと、いまいちな点もある。
　それにストーリーがお決まりのパターン的で、お約束がありすぎるのもどうかなあという気はするので、もう少し裏切られた内容も欲しいかなっと。まあこれはあくまでも年配のファンのたわごとですが。
　でも全体的な「妥協はしないぜ！」という制作者達の心の叫びが聞えてくる内容は、絶対に評価に値するものを持っています。

　「絶対に日本特撮作品の未来は明るくなる！」

　そんな希望を、劇場映画「ウルトラマンティガ＆ウルトラマンダイナ」を観て思ってしまいます。

　でもでも、やっぱりダイゴ・ヤズミのジャニーズ二人組が揃って欠席だったということはわかってはいるけど残念すぎる。まあ写真（とイルマのセリフ）で登場はしているけど、なんかクラス全員の写真を写すときに学校を欠席したので、後で別に撮影したものを全員の写真に貼り付けられた心境だ（どんな心境だ？）。

　あと個人的な残念なことは、風邪をひいたため初日に観に行けなかったこと（僕は映画は初日に限ると思っているので）。本当に個人的なことだが（ごめん）。

　なお、同時上映の「ウルトラニャン２」も、なかなか良かったです。
　前作が単なるプロローグ的な内容でテレビシリーズの第1話ならともかく、劇場での一本と考えると納得のいかない出来だったのですが、今回はちゃんとストーリー・設定もよく、冒頭の複線もちゃんと生かしているなど、かなり観れる作品です。
　でも前作のラストで、ニャン（ウルトラニャン）は「はるかちゃん」とは違う人の家に飼われることになったんじゃなかったっけ？
　なんでちゃっかり「はるかちゃん」の家にいるんだろう？
　ねえ、どうして、どうして？

　「死んだはずのウルトラの父が生きていたり、突然南夕子が月星人だということがわかったり、タロウはエンマーゴに斬られた首が元通りひっついたり、今までのウルトラマンとは全くつながりがないのにティガもダイナもウルトラマンと名乗ってたり、帰ってきたウルトラマンが突然ジャックと名付けられて嫌な思いをしたり、ハヌマーンの存在が無視されたり、ネオスとセブン21がプロモーションだけで終わったりするんだから、そんな細かいことは気にするな」ということでしょうか？