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「クラシックゲームファンの部屋」

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○夜空に舞う花火「ナイトストライカー」(アーケード・他)
 ナイトストライカーは1989年にタイトーから発売された、アーケードゲームです。耳に響くサウンドスピーカーを内蔵し、周りにはキラキラ光るライトが散りばめられている、大型筐体です。
 コンシューマではメガCD・プレイステーション・サターン版が発売されています。
 内容は、「悪の宗教集団」によって誘拐された科学者を救うため、万能ホバーカー「インターグレイ」で救出に行くというもの。
 ゲーム画面は3Dで、奥から迫ってくる敵を2種類の武器(バルカン・ホーミングミサイル)で打ち倒し、各エリアでのボスを破壊して進んで行きます。
 各面をクリアする度に、2種類のどちらか(右・左)のコースを選んで進んで行きます(アウトラン方式)。そのため、同じゲームでありながら、コースの選び方によって難易度が変わるようになっています。

とまあ説明してみれば、「なんだ、ただの3Dシューティングじゃねえか」となるのですが、ただの3Dシューティングにはならなかった本作の特徴として、「世界観・雰囲気」この2つがとにかく素晴らしい。
 単純にかっこいいんだよなあ。
 タイトルの「ナイトストライカー」が表しているように、夜の街を走り抜けていくインターグレイ。自分が操縦するこのインターグレイは、夜の街に浮かぶ光を浴びて、妖しい色を放ちながら走り続ける。悪を倒すために。
 夜だというのに小さな明かりが無数に照らされる街。そこにそびえ立つビル。波が流れていく水面。そして、打ち上げられる花火。
 敵は車・戦車・ヘリ・ジェット機・ロボット、そして人間自身。様々なものを使って攻撃してくる。
 夜の街は戦場と化し、それを止められるのは自分自身のみ。
 最後の敵を倒したら、やっと平和の一瞬(ひととき)が自分を迎えてくれる。

 僕が最初に本作がアーケードで出るということを知ったとき、真っ先に浮かんだのが「ナイトライダー」だった。そう、あのマイケルナイトがしゃべる車「ナイト2000」と共に、悪を倒していく海外ドラマだ。そのナイトライダーのファンである僕は、「なんだ、ナイトライダーのパクリじゃん」といって興味がわかなかったのを憶えています。
 僕が本作に興味を持ったのは、「BEEP! メガドライブ」誌での欲しい作品のタイトルに掲載されていたときです。実はこのとき僕は、本作のことを全く忘れていて、「ナイトストライカーって、どんな作品や?」と思っていたんです。しかもウィザードリィで「ナイトストーカー」というモンスターがいるんだけど、そいつが出るゲームかと思ったりもした(すごい勘違い)。
 そんな時ゲーメストの別冊「ザ・ベストゲーム」を購入したら、4位に本作の名前があるじゃないですか。あんまり有名でないのにこんなに人気があるのかとびっくりしましたね。そして読んでいるうちに、「これはなかなかいい作品かも?」と興味が沸きました。
 発売日が近づき、各雑誌でレビューが行われたけど、どの雑誌も悪評ばっかり(どんなとこが悪評なのかは、後述)。

 でもそんなこと気にせず発売日に購入して、早速プレイ。
 オー、オープニングがめちゃくちゃカッコイイ。いかにも今から戦いにいくぞといわんばかりのカッコイイオープニング。これは期待できる。
 さあ、ゲーム本編だ。敵がやってきた。よーし、攻撃開始!
 敵をバリバリに打ち倒し、進んで行く我インターグレイ。
 やがて最初のボスが登場。さすがにザコと違って多彩な攻撃をしてきやがる。でも、負けない!
 ヤッター、最初のボスを倒したぞ! 木っ端微塵に吹き飛ぶボス。
 勝利を祝うBGMをバックに、最初のルート(道)選択に。
 とまあ、こんな感じでゲームを進めていき、ついに最後のエリアに。最後のエリアは全部で5つあるんだけど、そのどれもが自機インターグレイが変形するようになっている。ロボット形態・武器フルオープン状態・支援機がつくの3つ。後の2つはどちらもインターグレイが破壊されてしまい、小型ジェット機を背中に積んだパイロット・バイクに乗り込むパイロットになってしまいます(破壊されたインターグレイは見捨ててしまうわけです)。
 こうして最後のエリアに群がるザコ共を倒し、ついに最後のボスとの一騎討ち。これに勝利すれば感動のエンディングが。
 エンディングのあまりの素晴らしさに、僕は多いに感動しました。

 とにかく一言でいってBGMが抜群にいい! マジで。今だに僕は本作のBGMが一番好きなぐらいだ。特に最後の敵との一騎討ちのBGMなんか、めちゃくちゃ盛り上がる。「絶対に負けないぜ」と。そしてエンディングの悲しいBGM。「ああ、終わったんだ」と自分に酔いしれることが確実に出来る。もちろん、その他のBGMも抜群にいい。

 本気で感動した僕は、完全に本作の虜となってしまった(もちろん今でも)。
 そしてメガCD持ってて本当に良かったと、本気で思った。

 さて、本作に寄せられた悪評はなんなのかというと、「ドットの化け物」というものです。なんとこのメガCD版、ドットが異様に大きいんですよ。でもこれは僕に言わせれば仕方がないと思う。だってメガCDではそうするしか移植は無理なわけだから。確かにきれいにしようとすれば出来ただろうけど、そうすると本作の魅力である操作性やスピード感が失われてしまう。それじゃあ意味がないから、ドットを大きくして移植するしかなかったのだから(ここらへんはサターンの初代バーチャファイターと似ている。画面よりも、むしろ操作性をとったんだから)。だからそのことに関して文句を言うのはおかしいと僕は思う。
 感動した僕は、「メガドライブFAN」誌に、本作の感想を送ることにした。なお、本作が発売される前に、タイトーから同じアーケードの人気作だった「ニンジャウォーリアーズ」が発売されていました。しかし一部の人を除き、出された感想は「古いゲーム内容」ということでした。そのことに関するタイトーからの言葉は、「なぜニンジャウォーリアーズが移植されてうれしいと素直に喜べないの」と。僕はその言葉に大賛成です。もともと古いアーケードゲームなんだから仕方ないだろう。それよりもタイトーさんが言っているように素直に喜んだら。そう思っていただけに、ナイトストライカーの感想には、「ナイトストライカーを移植してくれてありがとう」と書いて送ると、なんと掲載されました。これはうれしかったなあ。

 あと全然触れなかったけど、本作には「パシフィストボーナス」というものが存在します。どんなものかというと、敵を一機も破壊しないでそのエリアをクリアするとOKというものです。実は各ボスは時間が経つと勝手に爆発してくれるのです(なんちゅう設定や)。シューティングゲームなのに敵を撃たないというのは、変な感じですねえ。僕の場合このボーナスを狙うのが難しいというのもあるけど、やっぱり目の前の敵は撃たないと気がすまないため、まじめに戦ってしまいます。

 最後の敵を倒すとエンディングになるんだけど、そのパターンがどれも素晴らしい。もちろんエンディングも5パターンあるんだけど、一番気に入っているのが、囚われの女の子(博士の娘?)を海上で救出すると、夜空に花火が上がるエンディング。手を差し伸べた主人公に、女の子は手を差し伸べている。その光景をバックに、夜空には無数の花火が舞う。もちろん、悲しくてロマンチックなBGMを響かせながら。本当にこのエンディングは最高に感動できる。
 もちろん他のエンディングパターンも最高。夜の街を疾走していると、美しい青空が見えてくるなど、そのセンスは大変素晴らしい。どのエンディングも本気で心の中に焼きつき、ふとインターグレイで戦った時間を思い出させてくれます。


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