BACK

「特撮ファンの部屋」

OPANIM.GIF


○「昔の子供はレベルが高い」(怪奇大作戦の思い出)

 ぼくが小学生の頃、よく帰り道に「子供映画の上映会」の券が配られていた。ウルトラマン・赤影などに混じって、「人喰い蛾」「白い顔」といった作品があり、怖がりな僕は、すぐにその券を捨てていた。「白い顔」には、「死体置き場に現れる恐怖の白い顔」とキャッチコピーがあった。
 それから何年かして、13歳になった僕は、すっかり特撮ファンになっていた。そんなある日友達と本屋に行くと、宇宙船別冊の「ファンタスティックコレクション ウルトラQ・怪奇大作戦のすばらしき世界」があったので、ウルトラQの大ファンの僕は喜んで読んでみた(ちなみに僕は怪奇大作戦はこのとき知らない作品)。
 すると僕の目の前に飛び込んできたのは、カネゴンでもガラモンでもなく、「人喰い蛾」「白い顔」だった。「ぎょえ〜」すぐにそう思った。まさか数年たってからこんな形で再開するとは夢にも思わなかった。
 その当時もまだ怖がりだった僕は(結局15歳まで怖がりだった)、すぐに恐怖して本を閉じた。でも、怖いもの見たさという人間のどうしようもない感情が動いたので(ウルトラQが見たいというのもあったし)再び中を見る。
 そして僕は、初めて「怪奇大作戦」の内容を知った。「科学を利用した科学犯罪に立ち向かうSRIの物語り」読み進めるうちに、「さすが円谷プロ」と感心した。
 「結局本当に悪いのは一体誰だったんだ」という、円谷お得意の作風。
 各話に設けられた非常に重いテーマ。
 いつしか僕は、「怪奇大作戦」の魅力に引き込まれていた。
 でも、その時本は買わなかった。だって怖いから(笑)。 しばらくして結局近所でその本購入したんだけど、すっごいのめり込んだなあ、怪奇大作戦。もちろんウルトラQも好きだけど、未知の作品だけに(再放送はあったと思うけど)、怪奇大作戦の方が憶えがいがあったなあ。
 しばらくして幸運にも朝日放送でウルトラQの再放送が深夜にあり、続いて怪奇大作戦の再放送が。
 「白い顔」には泣いたなあ。結局外見なんかどうでもいいんだよ、親子の愛情の前では。
 「青い血の女」は老人問題を取り扱っているけど、これってめちゃくちゃ今風。
 他にもあげていくときりがないほど感心させられたけど、やっぱり実相寺監督の京都2部作には驚かされた。「呪いの壺」「京都買います」こんな質の高い作品、なかなか作れないぜ。以前「京都に高層ビルは必要ない!」なんて運動があったけど、その時まっさきに思い出したのが「京都買います」だった。
 作品の質の高いのにはただただ驚かされるけど、この怪奇大作戦が日曜日の午後7時のゴールデンタイムに「子供番組」として放送されていたというのがすごい。今じゃ考えられない。やはり昔はよかったとしみじみ思わせられる。
 今の子供って、大人びているようだけど、実際には周りだけしか見ていなくて、そのものの中身まで見ていないと思う。番組を見たらわかるけど、結局設定や周辺ばっかりで、肝心な中身がないものがほとんど。とても数十年、いや数年も残らない作品ばっかり。
 怪奇大作戦はマイナーだけど、オンエアー観ていた人にはインパクトが強いらしく、年上の人(もち特撮ファンでもなんでもない人)と話しても、ちゃんと憶えてるもんなあ。
 最後に一言。どこが「死体置き場に現れる恐怖の白い顔」やねん。


「特撮ファンの部屋」のメニューに戻る
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送