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「特撮ファンの部屋」
いろいろ賛否両論あった(ありすぎた)本作ですが、日本の公開日から早いもので4ヶ月近く(今11/5)をすぎてしまいましたね。
もう日記のほうにも何回も書いているので最初に書いておくけど、僕はこのアメリカ版ゴジラ全然OKです。というか、かなり気に入っています。
と、書くと「お前はゴジラがわかっていない」とか「あれがゴジラ? ちゃんとゴジラ映画見たことあるのか」という、大変ありがたいご意見を頂けると思いますが、僕はゴジラは全作見ているし、その他の特撮(怪獣)映画はほとんど見ています。もちろんゴジラ・ガメラシリーズのみという、ウルトラマンと仮面ライダーを知っているだけで特撮ヒーローは全部知っているといい気になっているおマヌケさんとも違うので、そこら辺理解しといてね。とまあ、なんかケンカ売ってるみたいな書き始めですが、ケンカ売りたくもなるよ。
だってこのアメリカ版ゴジラに関する世間でのあまりにも的を外れた意見を聞いていて、心底僕は疲れてしまったんだ。否定意見を聞いていると、デザイン・テーマ・派手な宣伝を否定した、以下のようなものにだいたいなってるね。
「あれはゴジラではない。ただの巨大トカゲだ」。
そう言ってるけど、もしアメリカ版が日本のオリジナルのものと同じデザインのゴジラだったらどう思った? 「なんや、同じかいな」とガッカリしてたと思うぜ。「ゴジラは核の恐怖を描いていたが、アメリカ版ゴジラにはそんなテーマはない」。
出たア〜。全作見てもいないくせに、とにかく突っ込むのが好きな人のための常套手段的意見。ゴジラを全作(とまではいかなくても、ある程度は見ている人)ならわかる通り、ゴジラが核の恐怖をテーマにしているのは第1作を除けば「ゴジラの逆襲」「モスラ対ゴジラ」といったわずかな作品にその面影がある程度。1984年の新ゴジラからは確かに核をテーマにしようとしてはいるけど、やはり第1作目ほどのインパクトに欠けるし、うまくいっているようには見えない(なんか付け足しのような感じ)。
だから今回のアメリカ版ばかりが「核のテーマがない」と文句言われる筋合いはないのでは?派手な宣伝も僕は楽しんでましたけどね。というより、日本のいつものゴジラでここまで盛り上げることが出来てましたか? 絶対に出来てなかったよね。
東宝の宣伝の方も「いつもは子供映画だと言ってバカにしている人も注目してくれている」と言っていたけど、全然ファンじゃない人まで振り向かせた功績は大きいのでは? 特に我が国日本では、怪獣映画=子供向けとしかいまだに判断してもらえないのだから。というより、僕が今回のアメリカ版ゴジラ批判で思ったのは、
否定したほうがカッコイイ
と思い込んでいる人が、思っていたよりも多いなあと。
「あんなデザイン、ただの巨大なトカゲだよ。やっぱゴジラは日本の初代のオリジナルが一番だね」「核兵器の恐怖がゴジラのテーマなんだ。それがないアメリカ版はダメだね」。
そうおっしゃってくれる(自称)評論家の方々(って、俺も偉そうに言えないけど)。
偉そうにみんな言ってるけど、結局このアメリカ版ゴジラが自分たちが理解しているゴジラとは形が異質だから批判しているだけでしょ。
人間という生物は、中身よりも見た目で判断するもの。だからアメリカ版ゴジラを一目見た瞬間に「デザインが違う」という誰でも判断できることで「とりあえず否定しとこ」と思ってしまう。よくあるマンガやアニメが実写作品になったときに受けるイメージのギャップで、その実写作品を否定するのに似ている感情かな。
このアメリカ版ゴジラが受けている一番の否定意見が「デザインが違う」ということだと思うけど、じゃあ仮に日本のと同じデザインだったらなんの文句もなかったのか?
もしそれで文句がなかったとしたら、じゃあ結局外見的なことでしか判断してないってことだよね。これってなんかおかしな話だぜ。
デザインで否定している人達は、お寒い内容の「ゴジラVSスペースゴジラ」でも、なんのための最後なのか描ききっていない「ゴジラVSデストロイア」でも許せるわけだ。内容がイマイチでも、外見が自分たちが知っているゴジラなのだから。
全く外見でしか判断できない奴等ばっかりでウンザリしちゃうよ、ほんと。それにやたらと第1作ばかりを持ち出してくるのにも飽き飽き。
確かに大傑作であり、僕が一番好きな怪獣映画(全てのジャンルの映画としてみても、文句なしのトップクラスだ)なので持ち出したい気持ちはわかる。だけど、ゴジラは1作しかない映画ではないのだ。全部で22作(デストロイアまで)もあるのである。その一連のシリーズを無視して1作目のみを語るというのは絶対におかしい。
僕はゴジラだけではなく、ウルトラやライダーでも初代しか語らない奴は信用しないことにしている。だっていろいろなゴジラなりウルトラマンなり仮面ライダーが存在しているのに、それらを無視してとりあえず一番有名で世間の評価も高い初代を語っとけば無難だろうと考えているとしか僕は受け取れないから。
これってまるで、今の子供はみんなポケモン(というかピカチュウ)が大好きで、女子高生はみんなキティちゃんが好きだと思っているおバカな連中と一緒の志向パターンだと思えるから。一番有名なものを語っとけば無難だという部分がね。このアメリカ版ゴジラを否定するのなら第1作のゴジラだけではなく、たまには「ゴジラ対メガロ」でも語ってみたら(笑)。え、そんな作品知らないって。
第1作しか知らないような奴が、否定意見を持ちだす資格なんかない!
とまあ、あまりにも本作が批判ばっかり受けているので、「俺みたいな好きだと言う奴もいるぜ」ということを言いたくてちょっと書いてみました。
でもこのアメリカ版ゴジラって、本当にみんなが言う程の駄作かなあ?フランスの核実験から始まるオープニング・漁船が原因不明のなにか(って、バレバレだけど)に襲われて沈没する・漁船の唯一の生存者である日本人(正式には日系人だけど(^_^))に「ゴジラ ゴジラ」と言わせたり、映画の冒頭としてはかなりいい線いってると思うけどなあ。
ニックが大きな足跡の中に入って、カメラが引いてそれが巨大生物の足跡だということを見せるシーンや、漁船に残された巨大なツメ跡といった正体不明のなにかというものの正体を見せていく演出も僕は好きだ。やっぱり怪獣映画はこうでなくっちゃ。「あ、キングギドラだ」ではやっぱりダメでしょ(^_^)。
ゴジラが初めてニューヨークの街に現れるシーンもカッコイイ!
周りがズシンッズシンと揺れて、僕なんか本当に揺れを感じたぐらいだ。
街を我が物顔で疾走するのもスピード感があっていい。下からゴジラが飛び越していくカットなんか、本当に飛び越された感じがしたぞ。まあその後カメラマンのアニマルがうまい具合に足の指の間に入っていたので助かったというのは「ちょっとなあ」とは思うけど(^_^)。
魚でゴジラをおびき出すシーンで「ゴジラが魚を喰うな!」という、まったく的外れな意見を言っておられる方がいるようだけど、ゴジラは第1作で豚や牛を喰っているし、「三大怪獣地球最大の決戦」ではクジラを追いかけている(食べるためだろう)のだから、魚は立派に喰います。
だいたいゴジラが放射能を吸収するという設定は84年の新ゴジラからだろう。それまでは普通に肉を喰ってたんだから。まったく、こういうときだけ第1作の設定を見ないんだから、勝手だよなあ。
個人的に放射能を吸収するなんていう化け物な設定よりも、普通に魚喰うほうが俺は好きだけどね。魚につられてマンホールから現れるゴジラと対面するニック。「怪獣を目の前で見た少年」という感じがして僕は好きだよこのシーン。
もっとも、「放射能の息を浴びて無事なわけないやろ」という意見には否定する元気はないですけど(^_^;)。超ハイスピードで逃げ回るゴジラに振り回されるアメリカ軍。最新の兵器は異形の生物ではなく、人間が生活するために必要な造形物を次々と破壊するだけのやっかいものにしかならない。
「当てれるもんなら当ててみな」てな感じで逃げ回っているようで、ラブリ〜ってな感じになれます(^_^)。ビル街から追いかけて海中へと追いやり、潜水艦でゴジラを撃退するシーンもテンポが良くてかっこいいと思います。BGMも本作の中で一番かっこいいのが使われていると思いますし。
ベビーゴジラがマジソンスクェアガーデンに潜伏しているという展開は、プレミアム上映で実際にマジソンスクェアガーデンで見ている観客の方々にはいいサービスかもしれないけど、関係ない僕たちにはあんまりプラスにはならないです(^_^)。
このシーン、最初見たときは結構楽しめたんですけど、後でゆっくり考えたらやっぱりいらなかったかも。巨大なゴジラだけで押したほうが面白かった気がする。そうしていれば、「ジュラシックパーク」とも言われなかったし(笑)。
でも世間で言われているよりも、ひどいとは思わなかった。良くもないけど(^_^;)。無数にうごめくベビーゴジラを倒すためにマジソンスクェアガーデンを木っ端みじんに爆破するシーンは、「さすがインデペンデンスデイのスタッフ」と思える大迫力。おもわず、
「仮面ライダーV3!」
と叫んだね。それぐらい良かった(こんな例えでいいですか?)。
自分の子供を殺され、当然の権利として怒り狂うゴジラ。
追いかけてくるゴジラから車で必死に逃げるニック達。
この、ズシンズシンッと迫り来るゴジラはかっこいいと思った。もっとも製作者は怖いと思って欲しかったんだろうけど、僕にはかっこいいと思えてしまった。
理由は、このキャラクターがやっぱりゴジラだからだと思う。僕の頭の中で、「ゴジラ=かっこいい」というイメージが出来てしまっているので、この迫り来る大迫力のシーンを見て、「ゴジラが迫ってくるぜ。かっこいい!」と思えたんだと思う。
こう思わせてしまったのがいいことなのか悪いことなのかはわからないけど(^_^;)。ラストのブルックリン橋で、ニック達による頭脳プレーでワイヤーにからまって身動きが取れなくなるゴジラを、アメリカ軍は容赦なく撃ち殺す。
「いつもそうさ、人間は自分たちが生み出して自分たちの生活を脅かすモノはどんなものでも滅ぼそうとする」
しかしまだゴジラは滅んではいない。人間が愚かなことを続ける限り滅びはしない。そう、今新たなゴジラが誕生した。
と、僕はラストをそう感じたけど、やっぱりありがちで単純なラストといえばラストだよね。もう少しひねってくれても良かったかも。というより、ひねって(^_^)。いろいろ文句ばかり言われて散々な目にあってるけど、僕はこのアメリカ版ゴジラ大好きだよ。愛してるぜ、GODZILLA。
でも、「アメリカでゴジラが作られると聞いて、期待していた頃が一番この映画を楽しんでいたかも」という世間の一部のファンの方の意見にはおおいに納得します。
僕もこの映画、公開されるまでが凄く楽しかったです。
あの「博物館で恐竜の骨を踏みつけるゴジラの足」「魚を釣ってるおじさんがゴジラを釣り上げてびっくりする」予告編を見たときには、「ああ、こんな凄いゴジラが見れるんだなあ。どんな映画なんだろう」と本当にワクワクしていました。
このワクワク感だけでも、僕はこの作品の果たした役割はあったと思います。まあ、それだけだったと陰口も叩かれているみたいだけど(^_^;)。ところで僕はバカバカしいゴジラも大好きなので(大戦争でのシェー・ヘドラでの飛行・メガロでのスーパーキックなど)、その面を強調してくれなかったのが実は不満です。例えば、自由の女神に肩組んで記念撮影するとか(俺の彼女ってな感じで)、近くにある丸いもの(家とか)を転がして、戦車をピンに見立ててボーリングするとか、迫り来るミサイルをヒョイヒョイとバカにしたようなカッコウで避けて、いかにもバカにしてますみたいな表情をするとか。
どうせどんなことをやっても日本のオリジナルと比べられるんだから、徹底的にアメリカナイズ(エメリッヒはドイツ人だけど)されたゴジラにしてもよかったのでは。僕はアメリカでゴジラをやると聞いたときに、てっきりそういう内容になると思ってたけど、意外に日本のものと同じ内容だったのには驚いた。
ひょっとしたら本作が酷評ばかりなのも、変に日本のものに似すぎているからかも。本当に姿だけではなく、全然性格やしぐさまで別物だと逆に新鮮味があってよかったかも。
というわけで、すでにキングギドラの権利を東宝から買い取って話が進められている「GODZILLA2」では、今まで見たこともないダイナミックでバカバカしい本来の意味でのエンターテイメント映画を見せてくれ!「頼んだぞ、エメリッヒ」
「君になら出来る!」でも、
「そんなのはゴジラじゃねえ!!」
と言って頂ける(自称)評論家の方達の意見をイチイチ聞いてたらなんにも出来ないよ。どうせ彼らは、どんな形のゴジラを生み出しても「初代」のことしか語ってくれない素晴らしく狭い知識しかお持ちじゃない方ばっかりなのだから。
と、偉そうに言ってはいるけど「初代」を引きずるその気持ちはよくわかる。
テーマ・ドラマ・ストーリー・映像、それら全てがとてつもない完成度を生み出した初代は、これからどんなゴジラ・怪獣が現れても打ち倒せるほどのパワーを持ち、そのパワーは今でも継続中だ。そんなまさに怪獣級の作品を引きずるなというほうが難しいのも事実。「だけどやっぱり、初代を引きずりすぎるのは問題だと思う」。
とくにどんなにがんばった作品を見ても、すぐ「初代が一番」と盲目的に決めてしまうのは絶対にダメだと思う。
ゴジラは人間の原水爆実験によって生み出されてしまった悲劇の生物だ。そして生まれてから自分の影をいつまでも引きずり続けなくてはいけない宿命をも背負わせられている。
生まれてからも自分の影と闘い続けるゴジラ。「初代ゴジラ」という、偉大なる影と。自分の影と闘い続けるゴジラをこれからも僕は応援し続けるし、見事自分の影を倒して欲しいと願っている。
「がんばれゴジラ、初代を語ることしか出来ない狭い知識の評論家のためにではなく、自分のためにがんばれ!」。
「がんばれ、がんばあ〜れ。ぼ〜くら〜の、ゴジラ!」。
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