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「クラシックゲームファンの部屋」

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○ハロウィンのテーマ「Halloween(Atari2600)」

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 「Halloween」といえば「ハロウィン」なわけで、以前紹介した「Texas Chainsaw Massacre(悪魔のいけにえ)」と同じ名作ホラー映画ですが、揃ってAtari2600用のゲームソフトになっていたわけです。しかも制作は、共に「ウィザードビデオ」というところです(今まだ存在しているかは不明)。2作も名作ホラー(それも殺人鬼もの)をゲーム化しているわけですから、大したものですねぇ。

 さてさて、「Texas Chainsaw Massacre」のゲーム内容は、プレイヤーが殺人鬼である「レザーフェイス」に扮して被害者を切り刻んで行くものでしたが、「Halloween」は殺人鬼である「ブギーマン(マイケル・マイヤーズ)」に扮して被害者を刺しまくる内容ではありません(というより、それが当り前?)。

 プレイヤーはベビーシッターの女子大生(映画ではジェイミリー・カーチスが演じていた)となり、2階建ての家の中を殺人鬼のブギーマンから逃れながら、家の中でのんきに遊んでいる子供を安全な場所に誘導するという内容です。

 画面には一部屋だけが表示され、右および左の端に移動することによって次の部屋が表示される、固定画面方式です。「なんでスクロールして次の部屋を表示する、任意スクロール方式にしないんだろう?」と思ってしまいますが、これは技術的な面ではなく、このゲームを引き立たせるための方法だと遊んでみて気付きます(後述)。
 ベビーシッターは子供を助けるため、部屋の中を移動すると、どこからともなくブギーマンが突然現れて襲い掛かってきます。そのときに映画のように、例のハロウィンのテーマが鳴り響くのですが、これが22年前のハードであるAtari2600とは思えないぐらい見事に再現されたBGMなんです。最初に聴いたときには感動しました。
 ブギーマンはナイフを振りながら襲い掛かってくるので、逃げるしかありません。逃げるには、後に戻って隣の部屋に行く・一瞬の隙をついてブギーマンの横を通りすぎる・真ん中に表示されているドアに入って別の部屋に行く(ドアがない部屋もある)の3つの中から行動を起こします。このうち、一瞬の隙をついてブギーマンの横を通りすぎるときのドキドキ感が最高で、本当に殺人鬼の横を通り過ぎていくような怖さがあります。
 部屋の端に行くと別の部屋へとたどり着くわけですが、ブギーマンがどこから現れるのかは全然わかりません。自分の後を追いかけてくるかもしれないし、自分の進路を妨げるように現れるかもしれない。また、ドアの中から現れるかもしれない。
 部屋の中には電灯が故障している部屋があり、明かりがついたり消えたりされて視界が悪くなるので恐怖感はより高められます。
 このように、次の部屋はどうなるのかわからない・ブギーマンはどこから襲ってくるのかわからないという映画通りの演出を行うために、本作では固定画面方式をとったのでしょう。技術力を見せつける作品が多い昨今、ゲーム制に重点を置いた本作が実にいさぎよくてかっこよく見えるとは言い過ぎでしょうか。
 さて、ベビーシッターもブギーマンから逃げるだけではありません。時折ナイフが落ちているときがあり、そのナイフを手に持っているときだけ反撃が出来ます。ナイフで刺されたブギーマンは、そそくさと逃げ出してしまい、ナイフはまた別の場所に(なぜナイフを持っておかないんだと聞かないで。そういうシステムだから)。
 子供は殺人鬼がうろついているのに全然気にしていないようで、のんきに部屋中を動き回っております。この子供をベビーシッターは捕まえて、各両端に設けられた安全な場所まで連れていけば、晴れて得点(ブギーマンをナイフで刺しても得点)。
 なお、不死身のブギーマンは死ぬことはありません。例えナイフで刺されてもです。映画通りですね。
 なお、このゲームには面をクリアするという概念はありません。ひたすら同じことを繰り返すだけです。そこがいかにも昔のゲームといった感じで残念ですが、「悪夢に終わりがない」という恐怖のメッセージを込めているのなら、なんという考えられたシステムなんでしょう(そんなわけねえか)。

 ブギーマンによって刺された(斬られた)ベビーシッター・子供は、頭部が無くなって首から血を噴きだすという、日本の教育関係のお偉いさんが激怒することをやっており、大変好感が持てます(笑)。
 全てのベビーシッターが殺される(本当にこの表現がピッタリ)とゲームオーバー。でも子供はいくら殺されてもミスにならず、すぐに他の部屋でまた別の子供が産まれて無邪気に遊びはじめる姿を見て、「本当にいいのか?」と一瞬は思いますが、まあゲームですからね(笑)。

 ホラー映画である「ハロウィン」の世界観を崩すことなく、今から20年も前のゲームとは思えない見事な怖いゲームに仕上げられた本作。少し自慢になるのですが、アメリカでもかなり入手は困難で、手に入れるのに苦労しました。でも苦労のかいのある素晴らしいゲームです。
 「ハロウィン」及びホラー映画ファンにはぜひともお勧めします。例の「ハロウィン」のテーマがブギーマンの登場と同時に鳴り響くのは本当に感動しますよ。


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