ＢＡＣＫ

「特撮ファンの部屋」

　「初代・セブンに比べて、第２次ウルトラマンの評価が低すぎる！」と声を大にして言いたい。しかも一部のファンに言わせれば、「初代・セブンのみが本物で、後は本物のウルトラではない」らしい。しか〜し、絶対に僕はそう思わない。むしろ逆で、第２次ウルトラマンこそウルトラの世界を広げた真の功労者だと僕は思う。
　第２次ウルトラマンの評価が低い理由の中で、特にファンの怒りをかっている設定として、「ウルトラ兄弟」の設定がある。
　「ウルトラ兄弟」、なんていい響きなんだろう。子供時代の僕にとって、この「ウルトラ兄弟」の設定には、何ともいえない魅力があります。兄弟とは付いているものの、実際には本当の兄弟ではなく、ウルトラ一族の中での特にエリートの集まりの総称。この設定には惚れたなあ。
　ファンにはこの「ウルトラ兄弟」の設定を親のかたきのごとく嫌っている人が多いけど、実際子供のときにずらっと揃った「ウルトラ兄弟」にワクワクした憶えは絶対にあるはず。弟のピンチに駆けつける兄達。エースキラーに捕らえられた兄４人が、弟エースにエネルギーを与えて、エースはスペースＱでエースキラーを倒すのを観て、「かっこいい」と思い、ヒッポリット星人によって兄弟５人がブロンズ像にされてしまって「大丈夫だろうか」と心配したはず。バードンに負けたゾフィに涙したり、レオ兄弟とウルトラ兄弟との戦いにハラハラドキドキしたよね。絶対にしたはずだよね。他にもムルロアの回で、人間の兄弟が一人一人ウルトラ兄弟の名前を付けているのを見て、「僕は長男だからゾフィだ！」なんて思ったはずだ。
　確かにウルトラ兄弟の設定は、非常に子供じみていて、我々「大きくなった」ファンには物足りないのかもしれない。でもなあ、実際子供のときこの設定があったからこそウルトラマンは他とは違うヒーローだったと思うし、現在でも子供たちのヒーローであり続けているんじゃないだろうか？
　子供の頃にわくわくした気持ちはうそじゃないと思う。みんなもっと素直になろうよ。
　だいたい「初代・セブン」ばっかりがやたらと目立つようになったのはつい最近（90年代）じゃないのかなあ？　だって僕が子供のときって、初期ばっかりじゃなくって第２次ウルトラも目立ってたもん。別にウルトラだけに限ったことじゃなくて、ゴジラ・仮面ライダーもそうだけど、なんで初期ばっかりが目立つんだろう。確かに初代作品が一番輝いているのは僕も認めるけど、これって絶対に知識不足な奴が多いからだろうなあ。とにかく有名なものを言っておけばいいだろうという考え方ね。
　もしウルトラマンが初代とセブンだけだったら、これだけ多くの人々に愛されていたかどうかは疑問が残る。ウルトラだけじゃなくライダーやゴジラもそうだけど、シリーズが続いて多くの仲間を生み出したからこそ、初期の名作も評価されているんじゃないだろうか。
　第一ばかの一つ覚えみたいに同じものばっかり見せられちゃ、いいかげん飽き飽きしてしまうよ。ウルトラマンは一人じゃないし、ましてやセブンとの二人でもない。だから他の仲間（兄弟）達にも同様にスポットを当ててあげて欲しい。
　それが我々地球に住む生物の平和を守ってくれた、彼らへの敬意だと思う。

　追伸：とはいうものの、今ティガで「ウルトラ兄弟」の設定を使ったら、せっかくの世界観がぶち壊しになるのも事実だけど…。難しい。